前回の相続対策の記事を書いた流れで、今回は「遺言書を書いた理由」についてお話しします。

50歳を迎えた節目に書き始めてみて、株式の相続には思っていたより複雑な落とし穴があることに気づきました。

同じように「いつか考えないと」と思っている方に、少しでも参考になれば幸いです。

遺言書を書こうと思った直接の理由

前回の記事では、妻が困らないための引き継ぎ要領をまとめました。

Ta.o
Ta.o
引き継ぎ要領をまとめたら「とりあえず大丈夫かな」と思っていたんですが、株式の相続について調べていくうちに「これは手順書が要る」と気づきました。

直接のきっかけは、妻にも証券口座を開設してもらう必要があると分かったことです。

オルカン(全世界株式型の投資信託)などの株式資産は、相続が発生した場合に「現金化して相続人に渡す」ことが基本的にできません。
被相続人(亡くなった人)の証券口座にある資産は、相続人名義の証券口座に引き継ぐのが原則です。

株式相続の基本的な流れ(知っておくべきこと)

・証券口座内の株式・投資信託は、原則として相続人の証券口座に移管される
・相続人の口座がない場合、口座開設から始める必要がある
・現金化してから渡す手順は、証券会社によっては対応可能な場合もあるが例外的な扱い
・移管手続きには遺産分割協議書や戸籍謄本など複数の書類が必要

証券会社によっては現金化して払い出す対応ができる場合もあるため、利用中の証券会社に事前に確認しておくことをおすすめします。私の場合はSBI証券のため、妻にも同じSBI証券で口座を開設してもらう方向で考えています。

今回書いた「遺言書」は手順書という位置づけ

「遺言書」と聞くと、法的な書類のイメージがあるかもしれません。

法的に有効な自筆証書遺言には、全文の自書・日付・氏名・実印による押印などの要件があります。

今回私が書いたものは、そういった法的な遺言書ではなく、妻が一人でも手続きできるための手順書という位置づけです。

今回まとめた「遺言書」の内容

① SBI証券の口座開設方法(ステップごとの手順)
② 高配当株の取り扱い方針(売らずに配当だけ受け取る)
③ オルカン(投資信託)の取り崩し方(必要な時に必要な分だけ)
④ 資金化のタイミングに関する注意点

前回の相続対策記事が「何がどこにあるか」という引き継ぎ要領だとすれば、今回の手順書は「どうやって動かすか」という操作マニュアルに相当します。

基本方針:妻がシンプルに動けることを最優先にした

4%ルールや取り崩しシミュレーションなど、資産運用の知識がある人には有効な考え方も、まったく馴染みのない人に伝えるには時間がかかります。

Ta.o
Ta.o
「チャートが下落中は売らない方がいい」と書いても、チャートの見方を知らなければ意味がないんですよね。

そのため、今回の手順書は以下のシンプルな方針で書きました。

妻への基本方針(3つだけ)

高配当株は売らない:配当金が年に数回入るのでそのまま受け取る
オルカンは必要になったときだけ取り崩す:まとめて売らない
売却から現金化まで4営業日かかるため、お金が必要なときは1週間前に売る

基本的には遺族年金と生命保険でやりくりできることを前提にしています。オルカンはあくまで補助的な位置づけです。

大きな出費(リフォームや医療費など)が重なったときのために、取り崩し方の最低限の手順だけを書き残しておく形にしました。

書いてみて気づいたこと

手順書を書くために自分の資産を整理していくと、普段は意識していなかった問題点が見えてきました。

Ta.o
Ta.o
「妻の目線で手順を書く」という作業が、自分の資産管理の棚卸しにもなりました。
書いてみて分かったこと

・証券口座の相続手続きは思ったより複雑で、手続き期間中は口座が凍結されることも
・分散しすぎている資産は、相続人には管理しにくい場合がある
・「自分が理解できること」と「他人に説明できること」はまったく別物
・手順書を書くことで、自分が相続を受ける側になったときのイメージも持ちやすくなった

遺言書・手順書を詳細化していくと、ライフプラン表やエンディングノートに近いものになっていきます。
いまは手順書ですが、将来的には整理した内容をエンディングノートとしてまとめ直すことも考えています。

まとめ:重く考えずに「手順書」から始めてみる

「遺言書」というと重くて暗いイメージを持ちがちですが、今回私が書いたのは家族が困らないための手順書です。

法的な遺言書を書くにしても、まず「何を伝えたいか」を整理する意味でも、手順書として書き出すことは有効だと感じています。

まとめ

・株式の相続は現金化して渡せないことが多い → 相続人に証券口座が必要
・法的な遺言書とは別に「手順書」として書き残すだけでも十分価値がある
・「妻の目線で書く」ことで、普段気づかない問題点が見えてくる
・手順書は将来のエンディングノートへの第一歩にもなる

50歳を迎えた今年、こうした備えを一度整理してみることをおすすめします。
意外と気づかない落とし穴に気づけるチャンスにもなります。
自分が相続を受ける側になった場合の参考にもなるため、損はないと思います。

【免責事項】本記事は筆者の個人的な経験と考えをもとに書いたものです。
遺言書の法的効力や相続税・相続手続きの詳細については専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。
投資に関する判断はご自身の責任でお願いします。
Ta.o
Ta.o
遺言書と聞くと「まだ早い」と感じる方もいると思いますが、書く作業そのものが資産整理の良い機会になります。
思ったより気が楽になりました。
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ta.o
初めまして、Ta.Oと申します。今年50歳の妻子持ち。 住宅ローンは完済済み。 ただ、老後の経済的な安心はまだ遠い。 自分の自由と幸せを目指して活動中。 60歳でのセカンドFIREを本気で目指しながら、日々資産形成と向き合っています。 このブログでは、教科書のような投資理論も少しだけ踏まえ、私自身が実際に経験し・悩み・決断したことをそのままお伝えします。 同じような境遇の方にとって、少しでも参考になればうれしいです。